Webコンサルティング会社
中心設計株式会社 代表取締役社長
日本マーケティング学会 会員
東証一部上場の専門商社にて営業を経験した後、
独立しWeb制作とシステム開発の会社を創業。
その後2008年に再度独立し、
大手メーカーのグループ全社Webコンサルティングや、グローバル企業のWeb改善プロジェクト、中堅・中小企業のWebコンサルティング等に従事し、2011年当社法人化。
最近運動不足でお腹周りが気になっています。
弊社では既存のお客様から日々様々な種類のご相談をいただきます。
その多くはWebに限定されたものではなく、
「こういう課題がある」「こういう取り組みをしたい」という経営課題軸のご相談です。
支援範囲もWebからはみ出すことも多々あります。
一方で、それらお客様との「最初の取り組み」はパターンが限られていました。
つまり、新規のお客様からいただくご相談は、いくつかの類型に限られている傾向があります。
本記事では新規のお客様の入り口となるご相談の類型と、おまけとして既存のお客様からいただくご相談の種類の例をご紹介いたします。
Webコンサルティング会社にはじめてご相談いただく際のご参考と、将来的な便利な活用シーンについてイメージいただけましたら幸いです。
目次
新規のお客様からのご相談の類型
1.Webサイトをリニューアルしたい
対象が会社サイトの場合は、下記が契機となってリニューアルの話が浮上するケースが多いと思います。
- デザインが古くなったので見た目を新しくしたい
- CMSやサーバ基盤のサポートが切れるので、この機会に刷新したい
リニューアルを行なうこと自体が目的である場合は、
最適なのはWeb制作会社。
もしリニューアルを行なうこと自体が目的であった場合は、
Webコンサルティング会社ではなくWeb制作会社の方が向いています。
権限者の趣味趣向にあった好みのWeb制作事例を持つ制作会社の中からいくつか声を掛けて、デザインコンペを実施します。気に入った会社を選べば、満足いくWebサイトが得られると思います。
そのように「Webサイトをリニューアルする」ということを考えた場合、第一に思い浮かぶ相談先はWeb制作会社だと思います。
Webコンサルティング会社にリニューアルを依頼する理由は、
リニューアルすること自体が目的ではないから。
では、なぜWebコンサルティング会社である弊社にWebサイトリニューアルのご相談をいただいているかというと、「お客様の真の目的がリニューアルそのものではない場合が多々ある」からです。
せっかくお金を使ってリニューアルするのであれば付加価値を付けたい、意味のあることをしたいというお客様が、無料相談にいらっしゃいます。
例えば、
- この機会に集客もできるWebサイトにしていきたい
- 営業・マーケティングのデジタル化に取り組みたい
- カスタマーサポートの負荷を減らすユーザビリティの高いWebサイトにしたい
- 採用に役立つWebサイトにしたい
- セキュリティの高いWebサイトにし、それを安全に維持できるようにしたい
- 経営の世代交代を見据えて、次世代経営者と共に会社全体を考える契機にしたい
- 経営層が重点分野として掲げる、特定事業の拡大に役立つ仕組みづくりをしたい
など。
その際、自分たちで最適解がまとまらない場合は、Webコンサルティング会社が役に立ちます。
目的意識の高いプロジェクトでは、受け身のスタンスではベストなものとはなり得ません。
ご相談の内容に応じて最適解を導出した上で、個別に為すべきことを考える必要があります。
コンサルタントと相談しながらリニューアルの形を導出し、目的達成のための制作までワンストップ対応
2.Webサイトを新しく立ち上げたい
新しく立ち上げる場合のパターンとしては、主に下記があります。
- 部門別Webサイト、製品別Webサイトを立ち上げたい
- 新サービス/新規事業を始めたい
- 会社を新設するのでWebサイトが必要
新規立ち上げの場合のポイントは、時間軸でのトータルプラン。
目的とご予算に応じて「短期」「中期」「長期」の3軸を見据えて総合的なプランニングが必要です。
また、周辺領域として外部メディア活用や広告・広報活動も必要な場合があります。
例えば、集客の目的を込める場合、SEO(Google、Yahoo、Bing検索エンジンでの上位表示を行う集客)について考えることになります。
新しくドメインを取得し、新規Webサイトを立ち上げるとき、検索エンジンでの順位アップには時間が掛かる場合があります。
競争が激しい市場では上位表示を狙うにも勝ち筋を見出さなければなりません。
プランニングには検索市場の状況の読み取りが必要です。
また、事業計画上の目標数値があり、早期に反響が欲しい場合にはSEOでの上位表示を待たず広告出稿も必要になります。
尚、広告は進捗を加速はしますが資産として蓄積はされませんので、トータルご予算やビジネスモデル・市場環境によってはあえて使わず、蓄積される資産としてのWebコンテンツづくりに多く予算を充てる判断をすることもあります。
ニッチで狭い市場の場合、競合がWebにあまり力を入れていないのであれば割と早めに検索上位表示される場合があり、1~2ヶ月程度でリード発生しはじめるケースも多々あるためです。
アクセスされなければWebサイトは存在しないのと同じです。
また、アクセスするユーザの属性・状況・背景・シーンが、事業上意味があるものである必要があります。
関係無いユーザを集めても意味がありません。
つくるだけでは不足です。
そして、それらWeb側の施策と同じぐらい重要な事柄として、Webからの反響(リード)を受け止めて対応する営業サイドの対応整備も重要です。
特に新しく立ち上げるWebサイトでは、そこから発生する反響の種類(例えばお問い合わせ、カタログ請求、お役立ち資料ダウンロード、デモ依頼など)毎に適切な営業対応の指針を組んでおかなければ営業現場が混乱します。
結果、「リードの質が低い」とマーケティングと営業の対立に繋がります。
うまく連動できるように、そして改善できるように方針を立て、関係部門を巻き込んで立ち回る必要があります。
そのように、新規立ち上げの場合は統合して考えるべきことがたくさんあります。
- 結果を出したい
- 踏み込んでリードして欲しい
- 何が自社にとってベストなのかを相談しながら決めていきたい
- 作って終わりではなく、その後も成果が出せるように引き続き支援して欲しい
等の理由から、制作機能を持つWebコンサルティング会社である弊社にご相談いただいております。
コンサルタントと相談しながら戦略策定、目的達成のための制作までワンストップ対応
3.今取り組んでいるWeb改善に行き詰まっている
Webからのリードを増やしたい、質を上げたい。受注を増やしたい。
安いものしか売れない。利益が出る高額品を売れるようにしたい。
リードの質を上げたい、量を増やしたい、良い商談を増やしたい、受注・売上・利益を増やしたい
現在の体制で様々な施策に取り組んでいるが、うまくいかない。
現在、Webマーケティング・デジタルマーケティングに関する情報は溢れています。
そのため、社内のWebマーケティング担当者が真剣に勉強して実践すれば、それなりのところまで行ける時代になっていると思います。
ですが、それでも行き詰まる理由のひとつとして、情報過多があります。
「情報不足で行き詰まるならわかるが、なぜ情報過多が行き詰まりの原因になるか?」という話ですが、勉強熱心な企業内マーケターがこの罠に陥りがちなことが多いのです。
コンテンツマーケティング全盛の現代、マーケティング支援企業が「これが正解である」という断定的な口調で語っているのを頻繁に目にします。
自信満々な語り口に、「自分は間違っていた」と自信を失ってしまうこともあると思います。
もちろん、それが正解である場合も多々あると思います。有用なものも多くあります。
しかし、全ての状況において正解となるものは存在せず、前提が変われば逆効果となるものもまた多々あるのです。
例1:ユーザは回遊しない?回遊する?
例えば、ユーザは回遊しないので、1ページ完結ですぐコンバージョンさせるサイトが正解という話があります。
一方で、回遊させて意欲を高めることでコンバージョンに繋がるという話もあります。
そんな風に、色々な人たちが真逆のことを言います。
弊社が様々な顧客の継続支援をしてきた中で言えることとしては、「どちらもありますよ」ということ。
実際のケースとして、コンバージョンしているユーザの平均PV数が、メールフォームを除き1ページ台のWebサイトもあれば、30ページを越えているWebサイトもあります。
両方とも受注に繋がっており、ビジネスとしてうまくいっています。
例2:読み切れないほどのコンテンツを用意すれば読むのを諦めて問い合わせする?それとも離脱する?
「ユーザにとって役に立つ情報をコンテンツにして提供する、その量を膨大にすることで、これは読み切れないので問い合わせた方が早い」と思わせてコンバージョンさせるという方法論があります。
一方で、「膨大な情報があると把握しきれないので読むのを諦めて、離脱に繋がる。もし離脱せずアポが取れたとしても、情報過多であれば営業の説明に『これはもう知っている』と上の空の寒い商談になるため、情報は絞った方が良い」という方法論もあります。
これも両方、それぞれうまくいっているケースも、商談に悪影響を及ぼしているケースも経験しています。
全てはビジネスの特性、ユーザの状況、異なる前提と背景により様々であるということです。
同一の企業内であっても、各売り物の特性によっても変動します。
その個別の現実に向き合わなければ、どこかでセオリーの例外にはまり、噛み合わなくなってしまいます。
人の意見を参考にすることは有益でも、全てを鵜呑みにしてはならない。
マーケティングには変数が無数にあり、その変数ひとつひとつはある意味で「落とし穴」です。
その落とし穴の回避方法は、あるケースでは有益で、あるケースでは有害です。
コンバージョンが増えても、良い商談が増えず受注が増えなければ意味がありません。
商談が増えても、安価なお試し商品しか売れず、以降に続かなければビジネスが成り立ちません。
特に弊社が注力するような専門性の高い分野では、一般に言われる正解・セオリーが通用しないケースが多く、個別の状況に向き合い、「変数の向く先を丁寧に揃えていく」改善活動が重要です。
そんなとき、Webコンサルティング会社が役に立ちます。
SEOの場合
SEOで検索順位を上げたいなら、SEOに専門特化したSEOコンサルティング会社があります。
順位を上げることが目的であり、競合が強く難易度の高いキーワードを狙いたいのであれば、SEOのスペシャリストであるSEOコンサルティング会社が良いと思います。
これまで、情報設計面での参画、UX面での参画、セカンドオピニオン等多様な立場で、いくつもの有名なSEOコンサルティング会社と協働する機会がありました。
ビジネス面を考えて顧客の利益最大化まで描き、本質的な改善に踏み込めるSEOコンサルティング会社は希でした(存在はします、ただし希です)。 プロジェクトがうまくいかないケースでは、どうしても順位向上に意識が集中してしまっているように感じました。
「それをやったら、どうビジネスにインパクトがあるの?」に対する回答が、無かったのです。
ビジネス面に鋭い視点を持ったSEOコンサルタントも確かに何名か存在しました。
尚、そのような方はやはり納得の高単価でした。
エースクラスに当たるという僥倖を除き、SEOコンサルティング会社を活用するのであれば、自社内でビジネス面の利益最大化の戦略のためのSEO方針を描き、その上で指定ワードに対する上位表示を依頼し、その実行方法がビジネス面の利益とすり合うようにオーダー・ディレクションしていくことが必要かと思います。
SEOに取り組むなら、集客のいち手段ではなく、利益増のいち手段として考える。それにはSEOだけでは足りない。
当たり前の話ですが、SEOは方法であり目的ではありません。
順位は上がったが売上に繋がらないでは意味がありません。
例えば、記事コンテンツを量産して狙ったワードでSEOにより上位表示したとして、そこからどうビジネスに結びつける誘導ができるか、というSEO外の改善も同時に必要です。
また、極めて専門性の高い分野のSEOになると、日本国内にまともに情報が無いようなものも多々あります。当然ながらそんなニッチな分野の理解をしているライターなど存在しておらず、それでも情報を集め学習をしながらビジネスに直結する集客をしていかなければなりません。
そんなとき、ただSEOとして依頼するのではなく、分野を深く理解し、トータルに受注・売上利益拡大までの絵図を一緒に描き、色々試しながら開拓していくWebコンサルティング会社が役に立ちます。
4.Webを使って新規事業を立ち上げたい
新しいことに取り組むには、色々と準備が必要です。
特に、「その方向に進んで良いのか」という確信を持てなければ、まとまった投資に踏み切ることは難しいのが実情と思います。
その際に、下記をまとめていくと思います。
- 社内で持つ事業の種に対する事業企画立案
- 市場性の確認(既存市場はあるか、無ければニーズはあるか、購入してくれる可能性はあるか)
- 勝ち筋はあるか
- オペレーションはどうするか、受注までのプロセスはどうするか、受注後の対応・継続フォローは
- 顧客獲得の仕組みはどうするか
- 必要な初期コストと継続コストはいくらか、損益分岐点はどうなるか、目標値はどうなるか
- 必要なWebサイト/Webシステム構築と初期広報活動
- 広告を含めた集客活動
それらに関して自社単独では難しい場合、秘密厳守で協力してくれるパートナーが必要です。
5.自社サイトの分析や競合比較をしたい
分析・レポーティング業務からお取引がはじまるケースもあります。
- Webサイトリニューアルを行なう前準備として客観的に状況を把握したいとき
- ライバル企業のWebサイトが素晴らしく、負けていると感じているとき
- 上層部にWeb改善の必要性を説明するとき
- インフラ企業や公共性の高いWebサイトなどで、ユーザビリティ/アクセシビリティを評価/改善したいとき
- 子会社を多数持つ大手企業で、一律のWeb品質を担保したいとき(Webガバナンス)
などのケースがあります。
Webサイト分析・評価の方法
ヒューリスティック評価、エキスパートレビュー、認知的ウォークスルーなどの定性評価や、アクセス解析、SEO評価、スコアリング評価やアンケートなどの定量手法をニーズに合わせて組み合わせて、目的にあわせた評価基準・評価軸の策定とレポーティングを行い、エグゼクティブサマリーとあわせて納品します。
外資系のお客様の場合、英語版のレポートをご用意する場合もあります。
少し、不思議な分野。
弊社では、大手家電メーカーグループ全社様、省庁のメインサイト、外郭団体の公式サイト、インフラ企業サイトからグローバル外資系企業のWebサイト、Webサービス、会社サイト、集客用サイトなど実績を積み立ててきた分野です。
そしてこの分野は、紋切り型のサービスを提供されている企業が多い印象があります。
確かにパッケージ化しやすく、それに従って見積もりもつくりやすい領域で、色々なお客様からお話を聞く限り、価格も大抵横並びのようです。
とあるお客様で「この予算でやってくれるのが御社だけだったので」ということで受注したことがあります。
弊社としては、特別安いわけではないお見積もりを出しています。
話を聴いてみると「それは無駄だろう」という評価項目がたくさん付いていました。
「・・・目的がこれなので、この観点に絞って、ここに説得力があるアウトプットが出せれば良いと思うんですが、こういう切り口で、こういう情報の集め方で良いですよね?」
「はい、そう思います」
無駄なことはやめましょう。
6.第三者としてセカンドオピニオンが欲しい
たまにあります。
セカンドオピニオンということは、今の業者さんとの取り組みに、確信が持てていないということです。
それはある意味「今の業者さんはダメです、弊社ならこうできます」という営業チャンスな訳です。
ですが、弊社としてはお客様が成功するのであれば、支援するのは誰でも良いと考えています。
また、成功させるために第三者として入っているのに協力せず、奪い取るのは不誠実です。
そのため、基本的にセカンドオピニオンで入るケースであれば、まずダメかどうかの判断の前に、うまくいく方法を探ります。
そして、弊社で実案件を受注しない前提で入ります。
また、業者紹介などもしません。したとしてもバックマージンなどは一切受け取らないポリシーです。
真正面から否定して騒ぎ立てるのでは無く、必要に応じてアドバイスや、問いを立てて投げかけたりはします。また、良い方向に進んでいるのであればそれを認めます。
ただ、「これはまずい」と思ったときは、それは明確に、早期に言及します。
既存のお客様の場合(多種多様)
既存のお客様からは日々様々な種類のご相談をいただきます。
範囲の大小はありますが現代の事業活動においてWebが全く関与しないものというものは少なく、逆にWebを活用することでブレイクスルーに至る道筋が見えるものもたくさん存在します。
そのようなご相談に対して、あくまでWebは道具として本質的なお客様のイシューに向き合い、結果としての成果物としてWebに関するサービスをコアとして提供しています。
- 社外に対してはマーケティングや、顧客やパートナーとの関係性を密にする仕組み、採用、IRその他
- 社内に対してはインターナルブランディング、事業の仕組み化、社内ワークフローのデジタル化、評価の仕組みづくり 等
ご相談の歳には、勝ち筋の導出・戦略立案やある程度のリサーチまで含め、「これでいける」と思うレベルに煮詰まるまで費用をいただいておりません(見切り発車で受注しません)。
その後はWebサイトのご用意はもちろん、お客様に必要であれば、事業戦略、事業計画立案・試算・経営層とのすり合わせ、オペレーション構築・セールスやサービス提供のワークフロー、実行の伴走支援まで包括的に提供することもあります。
そのような「Webサイトをどうにかする」という狭い範囲に限定されないプロジェクトは、経営コンサルティング会社に依頼すると非常に高額になると思います。
その点、既にお取引のある既存のお客様に関してはお互いの温度感や背景を理解しているため、無駄なバッファも無く、気軽に無料相談から行い、ミニマムの予算からできることを模索し、取り組むべきかどうか、意味があるかを考えていくことができます。
有償のお仕事になるか否かにかかわらず、そこでの取り組み自体が弊社にとって財産です。
日々便利に活用いただいて幸甚です。
この記事の執筆者
東証一部上場の専門商社にて営業職に就き、ルート営業、新規開拓営業、展示会営業等を経験した後、Web制作とWebシステム開発の会社を創業。その後2008年に再度独立し、大手メーカーのグループ全社Webコンサルティングや、グローバル企業のWeb改善プロジェクト、中堅・中小企業のWebコンサルティング等に従事し、2011年に当社法人化。代表コンサルタントとして現在も前線で業務に従事しながら、経営・社員のマネジメント・育成・事業開発に勤しんでいます。コロナ禍でお腹周りが10cm増えました。