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Webコンサル会社は何をどこまでしてくれる?

著者:コンサルタント 上田

Webコンサルティング会社
中心設計株式会社 代表取締役社長
日本マーケティング学会 会員

東証一部上場の専門商社にて営業を経験した後、
独立しWeb制作とシステム開発の会社を創業。

その後2008年に再度独立し、
大手メーカーのグループ全社Webコンサルティングや、グローバル企業のWeb改善プロジェクト、中堅・中小企業のWebコンサルティング等に従事し、2011年当社法人化。

最近運動不足でお腹周りが気になっています。

最終更新 2024.08.29 /
初版公開 2019.11.11
Webコンサルティング

Web制作会社は何の会社かと質問すれば誰もが「Webサイトを制作してくれる会社」と答えられるでしょう。
一方で、Webコンサルティング会社は何をしてくれる会社かと聞かれて、明確に答えられる方は少ないと思います。
もちろん会社によって業務範囲は異なりますが、今回は一般論として解説できればと思います。

尚、コロナ禍前後のここ数年で、Webを取り巻く環境はもちろん、ビジネスの在り方自体が大きく変化しました。その結果、Webコンサルティングとして支援すべき幅や役割も様変わりしています。

本稿は、コロナ禍を経た「今のWebコンサルティング会社」が担う仕事について言及すべく、大幅改定いたしました。

Webコンサルティング会社の業務

まず全体像を示します。

Webに限りませんがコンサルティング会社の基本プロセスとしては、ご相談をいただき、そのテーマに対し適切な意思決定ができるよう情報を集め、集めた情報を元に考察・検討し、取るべき方策を導き出し、合意形成を図り、実行することと言えます。

図 : Webコンサルティング会社としての基本プロセス
Webコンサルティング会社の業務全体像

世にコンサルティング会社というものは多種ありますが、Webコンサルティング会社の場合、ご相談いただくテーマの起点がWebであることがほとんどで、その実行方策もWebに関わるものがメインということが特徴です(実際には、非Webの事柄も多々あります)。

テーマの例としては「Webサイトをリニューアルしたい」「Webで集客したい」「売上・利益を上げたい」「採用を強化したい」「インターナルブランディングをしたい」「新商品・新サービスで顧客獲得したい」「新規事業をはじめたい」など。

各業務について解説します。

(1)相談に乗る

Webに関して課題を持っている/Webでやりたいことがあるお客様のご相談に、専門知識を持ったコンサルタントが対応します。お話を伺った上で、専門家としての見解を提示するアドバイス業務です。
コンサルティングと言うと、一般的にこの仕事をイメージされるかと思います。

  • ヒアリング
  • その場でわかる範囲での分析
  • その場にある情報の範囲での議論
  • 次のアクション設定
図 : 相談の形
Webコンサルティング会社に対して行なわれる相談の形

この領域のみの関与でコンサルタントがインパクトのある価値を産出できるケースというのは、下記に限られると思います。

  • クライアントとの情報差、経験差が極めて大きい場合
  • コンサルタントが持っている何らかの体系だったセオリーがあり、それを指導してほしい場合
  • クライアントが袋小路に入っている状態で、視野を拡げて新たな成長のルートを提示できる場合

目の前にある限られた情報で言及できる一般論は、一般的な正解を教えてほしいクライアントには有用ですが、情報不足では独自の状況に踏み込むことは難しいと言えます。

また、意思決定し費用を投下する上でも、その一般論や生まれたアイディアが今回のケースで有用であることを確認する必要があります。

そのため、次の「調査・分析」フェーズに進みます。

(2)調査・分析(情報を集める)

限られた情報を元に提言できることは、あくまで仮説の仮説レベルのものです。
現実に起こっていることを適切に把握するために、解像度を高めるプロセスを挟みます。

  • リサーチ
  • データ取得/分析
  • 部門/担当/トップヒアリング
  • 共同セッション
  • 分野学習

集めた情報に基づき、対象や関与者・そしてそれらで構成されたシステムを理解していきます。
それが、次の意思決定の議論の土台になります。

Webコンサルティング会社として多いものは、下記があります。

Webサイト評価・分析

例えばリニューアルが必要であったり、積極的な改善を予定していたりする際には現状分析が必須です。

弊社ではコンサルティングの際には必ず何らかの現状分析を行なっていますが、大規模な場合は、調査・分析のみの単体業務として発生することもあります。

尚、「調査・分析だけ」という業務は、弊社内では「コンサルティングではない」という位置付けで扱っています。調査はその後の検討に役立ちますが、それだけでは問題解決に至る深い関与ができないからです。
手法は様々ですが、代表的なものをご紹介します。

アクセス解析及び検索データ分析

Webサイトのアクセスデータを元にした量的分析です。

Googleアナリティクス(GA4)を用いるケースが大半ですが、専用のサイト解析ツールを使用する場合もあります。また、Google Search Consoleという検索データ分析ツールも併せて使用します。

アクセス解析は、単なる数値データだけを見てもさほど意味を成しません。数値から現実に何が起こっているのかを読み取り、様々な事象・データと突き合わせて統合判断することで意味のある分析・発見に至ります。

エキスパートレビュー(ヒューリスティック評価+α)

専門家の経験知に基づき、Webサイトの課題を質的に分析する手法です。

「ヒューリスティック評価」というメニューで指名されることが多いですが、弊社ではヒューリスティック評価は、提唱者であるヤコブ・ニールセン博士の10ヒューリスティクス(10項目ある一般原則)に基づくユーザビリティ評価範囲に限定するものを指しています。

それに加え、アクセシビリティ、体験に対する満足度、目的に対するコンテンツの有効性、SEO、マーケティング的観点等を加えた総合分析をエキスパートレビューと呼んで区分けしています。(大抵お客様が必要としているものはエキスパートレビューの方です。)

評価項目を策定してスコアリング評価し、定量的に判断する場合もあります。例えばたくさんの子会社を持つ大手企業グループや省庁のWebサイトにおいて、複数年度の定点観測として改善度合いを判定するようなお仕事の場合スコアリングを行ないます。

ただし、目的によってはスコアリングは不要という考えで居ます。ただ純粋に課題が何で、どれがクリティカルで、これからどうすべきなのか、ということを知りたいのであれば、スコアはあまり意味を成さないからです(工数=費用だけ増えます)。しかし、上層部を説得するのにレーダーチャートで「ここがダメ」ということを明示したいのだといった背景があれば、定点観測以外でもスコアリングする意味があると思います。

認知的ウォークスルー

ターゲットユーザになりきって調査者が対象Webサイトを使用する体験をし、そこで生じた気づき・躓き・認知的負荷等・目的達成度合い等を分析する手法です。精度を上げるにはターゲットユーザに対する解像度の高さが必要であり、ペルソナをつくることもあります。
エキスパートレビューと共に併せて用いるケースが多いです。

ユーザテスト

ターゲットユーザそのもの、または近しい属性の人をリクルーティングし、目的を与えて実際にWebサイトを使ってもらい、その様子を観察します。終了後にインタビューを行ない、行動の理由について把握します。

競合サイト分析

上記調査について、競合他社のサイトを含めて行ないます。競合他社のアクセス解析はできないため外部から見た情報に留まりますが、意識している競合のWebサイトと自社のWebサイトを同じ基準で比較し、課題やチャンスの発見をします。

Webは当然見る、だがWebだけ見ていても仕方がない。

Web業界では一般に、Webにフォーカスしすぎなように思います。

アクセス解析、検索データ分析、広告配信データ分析、ヒートマップ分析、Webサイト専門家分析(エキスパートレビュー/ヒューリスティック評価)、競合Webサイトの調査など。

それらはWeb屋の立場としては容易に得られる情報であり、数値化されているものも多く、何らかの判断をしやすい情報です。

しかしあくまでそれらは「現在のWebサイト」を理解するためのものでしかありません。

ユーザのWeb外での状況、行動、判断に関わる要素の理解が重要です。
Web上での行動は何らかのシステムが働いた「結果」です。

その結果が生まれる原因に遡り、どうシステムに影響を与えていくかについて考えたとき、最もインパクトが大きくなるという実感があります。

「何%伸ばしたい」ならWebから得られるデータを元に。
「何倍にしたい」ならその外にまず目を向けましょう。

Webサイトの外に関する分析の例

  • 営業データの分析(リード発生源・種別毎のアポ取得率、商談化率、受注率、売上・利益分析)※データをまとめられる/共有できる範囲で
  • 営業部門ヒアリング、ワークショップやコンサルティングセッションの開催
  • 商談分析
  • 採用なら採用プロセス毎の歩留まり確認
  • 社員インタビューからの分析
  • トップインタビューからの分析
  • 顧客インタビュー・アンケート調査

(3)考察・検討→戦略立案→戦術立案

集めた情報を統合し、様々な制約・独自状況に対し、何がクライアントにとってベストな方策となるか勝ち筋を見出します。

お客様の課題や実現されたいこと(テーマ)に沿い、どうしたら予算内で実現可能性を最大化できるか戦略を立案し、実行可能な戦術・具体的な施策に落とし込みます。

新規事業であれば事業計画の立案や試算まで行います。

Webコンサルタントは、Web外のどこまで関与するのか?

コロナ禍以降、事業活動のデジタル化が急速に進み、多くの企業が従前よりもWebに力を入れるようになりました。ですが、Webだけが進化し、お仕着せのように新しいベストプラクティスを導入しても、企業の現場での活動と噛み合っていなければ有効なものになり得ないと感じています。

Web単独でできること(Webを変えてどうにかなること)には限界があります。各部門内の人の行動・発想・プロセス・仕組み、つまり組織が変わることで得られるインパクトはより大きくなります。

そのためWebコンサルタントが支援する範囲としては、例えばマーケティングであれば同時に営業活動に関しても関与し、新しい仕組みの活用について、適切なアドバイスまで含める必要があると考えています。

検討プロセスを共同で行ない、社内を巻き込んで納得感のあるシナリオを描きながら
共通認識をアップデートする。

Webに関して検討するプロセスを共同で行なうことで様々な周辺事項が整理されます。
結果的に組織の行動や指針へ波及するという効果も、重要な付加価値であると考えています。

リードが増えても良い商談に繋がらなければ意味が無い。

例えばマーケティングであれば、リードを何千何万と増やしても、良い商談が増えなければ意味がありません。

良い商談が増えない理由は何でしょうか。マーケティングが生み出しているリードが営業部門のニーズと外れており、質が低いからでしょうか。それとも営業部門がWebからのリードの取り扱い方を知らず、アポイントが取れるアプローチができていないからでしょうか。

そんなときは何かが噛み合っていないはずです。
その担当間・部門間を繋げるのもWebコンサルタントの役割です。

受注が増えても利益が増えなければ意味が無い。
組織の在り方や事業構造に踏み込まなければ解決できないこともある。

受注が増えても、利益が増えなければ意味がありません。利益が増えない理由は何でしょうか。

低価格帯の売りやすい商品ばかり売れていて、付加価値の高い高価格帯の製品が売れていないからでしょうか。それは個々の営業パーソンの力量の問題でしょうか。それとも組織的な営業目標とチーム組成の問題でしょうか、例えばエースやリーダーに数字の依存度が高く、眼前の売りやすい案件を決めることに忙殺されているからでしょうか。それとも営業パーソンの人事評価の仕組みや、代理店へのインセンティブの問題でしょうか。またはそもそも取り扱っている製品・サービスの商品力の問題でしょうか。売り物に対し、顕在化したニーズが存在しないからでしょうか。それとも競合の増加や代替品の登場など、外部環境の変化によるものでしょうか。

Web戦略の立案プロセスや継続的な観測と営業現場との議論を経て、営業戦略、営業組織戦略、プロダクト戦略に関する課題やチャンスに気付き、うまくいかないことをやめ、勝ち筋が見えている方向に組織が舵を切り出すとしたら、何が起こるでしょう?

営業プロセスを無視したWebの在り方は、営業パーソンを活かせない。
Webの活用方法を知らない営業チームでは、Webの新しい在り方を活かせない。

利益が増えないのはLTVを計算してマーケティングを描いていないからでしょうか。しかし、そもそも継続的な取引の中でアップセルを重ねていく営業戦略・営業プロセスになっているのでしょうか。継続的に営業マンに合いたいと思ってもらえるような、顧客に対して営業パーソンが付加価値を感じるような初回販売プロセスになっているのでしょうか。それとも営業が単なる最終確認の受発注の窓口になってしまっていて、関係性や信頼関係を築けない状況になっているのでしょうか。であればそこからの追加販売のシナリオは何でしょう。

受注や追加販売・取引拡大まで見据えたシナリオを描き、その全方位で営業パーソンの活動を支援するWebの在り方を検討する中で、各営業パーソンの活動方針が連動してアップデートされたとしたら、何が起こるでしょう?

Webというツールは経営のいち要素であり、それを変えるのなら他への影響を鑑みる必要がある。

案件が増えても、その急増した需要に対して社内外のメンバーが適切に・無理無く対応できる準備が整っている必要があります。営業部門・生産部門/サービス部門が受け止めきれなければトラブルや従業員の離職ラッシュに繋がる恐れもあります。忙しすぎる現場で、中途採用者や新卒社員の育成に手が回らず、本来残ってほしかった人が離れてしまうということもあります。

そのようなシーンにおける採用支援は、採れる採れないの前に、業務プロセスの改善・デジタル化・仕組み化・効率化、そして育成の仕組みづくりが先に必要な可能性があります。
弊社では、必要であればそれらも含めて支援が可能です。

(4)施策の実行/Web制作スタッフの稼働

戦略を立てても実行されることがなければ意味がありません。
また、実行しても戦略を具体に落とし正しく実行できなければ、価値が低減するか、検証すらできません。
そのため、実行フェーズは非常に重要です。

Webコンサルティング会社により大きく分けて、下記のパターンがあります。

  • 実行まで担う(自社で制作機能を持つ)
  • クライアントに任せる
  • パートナーを紹介し、任せる

実行には、ほとんどの場合Web制作業務が必要になります。Webサイトの設計・制作、既存ページの修正、ホワイトペーパーや動画などのリッチコンテンツ制作、CMSやWebシステムの構築など。

広告や外部メディアを活用する場合は、広告作成や出稿管理を。
コンテンツマーケティングを行う場合は、コンテンツ執筆・編集やクオリティ管理を。
ツール導入を行う際は、ツールをWebサイトに組み込むためのプログラム改修や導入設定を行います。

また、施策を実行するということはお客様の確認負荷が増えるということです。業務効率向上の仕組みづくりとして、タスク管理とご希望の温度感でのリマインド、データの可視化による意志決定支援、顧客上層部への報告支援、進行中のお客様の赤入れ負担を減らすためのガイドライン策定やチェック基準づくり、そしてAI活用の提示など、お客様の業務負荷軽減も含めて支援します。

図 : Webコンサルティング会社として実行を担う範囲の例
Webコンサルティング会社の実行範囲例

(5)継続的な観測・改善と支援

Web上での活動は一度形をつくればそれで終わりということはなく、運用が必要です。
特に、何らかの強い意志・目的をもって構築されたWebサイトは、その目的達成や効果の持続のために継続的な取り組みが必要です。

Webサイトが狙いどおりに機能しているか?機能していないとしたら何が原因か?
アクセス解析から表面的にわかる改善事項は手を入れつつ、アポ率、受注率、売上状況などを追いながらビジネスの成功のために継続的に手を入れていきます。

そのようにしながら、生きたWebサイトとして鮮度を保ちつつ、関与者のニーズを満たしながら成長させていきます。

このケースでも支援範囲としては企業により幅がありますが、
伴走支援として下記のようなことが行われます。

  • 定例会議の開催
  • アクセス解析、数値レポートの作成
  • 伸ばしたい領域に対する改善施策の立案と議論
  • トピックス、経営イシューの取り込み
  • 課題とチャンスの発見
  • 広告運用
  • SNS運用支援
  • Web制作スタッフの稼働による改善
  • コンテンツライティング
  • 課題管理

Webコンサルティング会社が持つ3つの機能+α

直接的には「調査・分析・提言をする機能」、そして「結果を出す機能」があり、間接的には「人材育成機能」また番外編として「飛び道具としての機能」があると言えます。順に見て行きましょう。

1. 調査・分析・提言をする機能

まず、情報を集めて分析し、レポーティング・提言する機能があります。

正しい状況把握ができなければ正しい意志決定はできないため、分析は重要です。

これは厳密には後述する「結果を出す機能」に内包されるものではありますが、結果を出す前の分析のみの依頼というものが存在するため、項目立てしました。

単体で行なう場合のアウトプットとしては、実務レイヤーで用いる詳細・具体的なドキュメントに加え、意志決定を行なう上層部向けに要点を抽出・整理したエグゼクティブサマリーを用意する場合もあります。

2. 結果を出す機能

結果を出す機能は2つに分解されます。

結果を出す機能

あなたの職場の普段の業務シーンを思い浮かべて下さい。

経験も知識も豊富な経営者・マネージャーは、今の自社が置かれている状況、発生している問題について深く理解し、打ち手として正しいと思われる処方を行うでしょう。

さらには実行の陣頭指揮を執ります。
Webコンサルタントの関わり方も同じです。

Webコンサルタントは状況を見定め何らかの解を出す

Web分野に対し専門の知見を持つコンサルタントが、御社のWebサイトの状況・抱える問題について、御社の内情はもちろん、市場環境やユーザ心理についても理解し、今何をどうすべきなのかについて正しいと思われる解を出します。

適切な解を導出するには、個社毎の個別課題に踏み込み、実行可能な方策をクライアントと共に検討していく深い関与が必要です。

弊社ではコンサルティングというと、この深度の関わり方からを指しています。
(調べた結果を報告するのは「調査・分析」、深く入らず自身の経験知ベースで物事を言うのは「アドバイス」、相談に乗るだけは「顧問」、ノウハウを教えるだけは「研修」としています。)

Web制作や改善の実行まで行なう会社も

さらにはWebコンサルティング会社内部の制作スタッフを稼働させ、施策の実行までをシームレスに行える会社もあります。つまり、御社の社外Web改善チームを持つことが可能ということです。

ここで重要なのは、そのWebサイト改善チームには御社の戦略立案を担ったコンサルタントが居るということ。ビジネス感覚を持ち合わせた分析・施策立案機能及び、実行管理機能があるということです。

コンサルタントは施策の進捗状況をマネジメントし、おかしな方向に行かないように、効果を最大化するようにケアします。実施後は反響を見ながら変化を観測し、狙いどおりに行ったのか、仮説は立証されなかったのか、その結果から分析し更なる改善案を提示します。

つまり、現状を把握して正しい打ち手を提示し、その実行を担うということです。

弊社はこの実行機能を併せ持つWebコンサルティング会社です。Web制作から専門性の高い分野のコンテンツ制作まで、社内で対応可能です。

2. 人材育成機能

人材育成機能は、さらに2つに分解されます。

人材育成機能

こちらもあなたの職場で思い浮かべて下さい。

経験も知識も豊富な上司・先輩は、メンバーからの相談に乗ったり、知識やノウハウを伝授したり、やり方を教えてくれたりするでしょう。

それと同じような機能(というか、価値)がコンサルティングにはあります。
マネジメントで言う「育成」の部分です。ただし、育成はあくまでサブの副次的機能です。

Web担当者の成長

実際、弊社が5年程コンサルティングを続けていたとあるお客様では、弊社が開発したそのお客様のビジネスに最適化したWeb改善手法を習得されました。現在は自分たちで施策を考え、工夫し実行されています。

その成長振りは目覚ましく、今では毎月の支援も不要となりましたが、時流の変化と共にビジネスの在り方が変化する中、スポットでの支援に切替え、最新の知見と実行の手をお届けしています。

やり方を教えて欲しいのか?それとも結果を出して欲しいのか?

やり方を教えることに比重を置いたコンサルティングも世の中にはあります。
一般論や他社で成功したナレッジを提供し、判断や現実への適用はお客様が担う方式です。

既に解が出ている答えがある問題に対してやり方を教わるのであれば、教えるタイプのコンサルティングは有効な取り組みと言えます。

しかし、世の中には一般論が通用しない世界があります。
「普通、こうですよね」が、効かない。右を見ても左を見ても壁がある。

「御社独自の成功パターンを探す」という答えの無い問題に取り組む必要があるのであれば、教えるだけではパワー不足と思います。その状況であればもっと深くコミットして欲しいのではないでしょうか。

その場合は、上記の「結果を出す機能」も備えたコンサルティング会社がよいでしょう。
結果を出した副産物として、社内エース級の人材が外部のコンサルタントとの協働を通して、スーパーエースに育つかもしれません。

(番外編)飛び道具としての機能

これは全ての会社・プロジェクトが当てはまるものではないと思いますが、Webサイトリニューアルなど、全社単位で関与するシーンでは度々あります。

Webはつくづく、経営の重要テーマに重なる範囲が多いと感じます。

マーケティング・競争戦略、営業戦略・営業プロセス、採用、広報、IR、ブランディング/インターナルブランディング、海外展開、Webサービス/オペレーション、代理店施策、社内コミュニケーション。

研究開発や製造・サービス部門には関係無いだろうと思いきや、どんな人をどう採用するか、Webでどう仕事をしやすい仕組みをつくるか等、密接に関わる部分もあります。するともはや全方位です。

定期的に会社Webサイトのリニューアルという棚卸しイベントもあります。
その際は、目の前の問題解決に加え、中期経営計画や最新のビジョンを見据えた未来の会社の在り方を経営陣に問い、引き出し、整理していきます。

抽象度の高い経営者の思想や温度を感じ、その想いや考えを翻訳し、具体的なアクションに落とし込めるよう検討します。それはWeb化や日々の業務プロセスを通して各部門に繰り返し波及していきます。

企業は成熟するにつれて、問題が生じるのは普通です。

継続的な関与を通して広範囲に企業の状態と経営者の意志を理解した上で、Webという全方位媒体を活かし、多様な施策に落とし込みます。そのとき当事者として変革をリードするか、または経営者が信頼する社内の変革リーダーや次世代後継者をバックアップします。そんな飛び道具としての機能もあります。

シーンに応じて、便利に使っていただきたいと思っています。

まとめ : Webコンサル会社の在り方は多様。自社に合う所が幸せ。

このように、Webコンサルティングと一口に言っても領域は広く、様々です。
Web制作会社は「作ること」に軸足を置いていますが、Webコンサルティング会社の場合、軸足の置き方は得意分野によって様々です。

例えば運用型広告に軸足を置いている会社やSEOに軸足を置いている会社、BtoBマーケティングに軸足を置いている会社、BtoCに特化した会社、ECに軸足を置いている会社、インバウンドマーケティングに軸足を置いている会社、SNS運用に強い会社、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入に軸足を置いている会社なども、Webコンサルティングとして提供されています。

過去色々なお客様から伺ったお話からは、各社、自社が売りたいものをお客様にお勧めされている印象です。

それは各社の強みを活かした提案であり、その会社としては正しい在り方だと思います。
お客様としては、自社のニーズに合った会社を選ぶことが幸せに繋がると思います。

ちなみに、こちらにWebコンサルティング会社としての弊社の特徴をまとめています。

この記事の執筆者

コンサルタント 上田

東証一部上場の専門商社にて営業職に就き、ルート営業、新規開拓営業、展示会営業等を経験した後、Web制作とWebシステム開発の会社を創業。その後2008年に再度独立し、大手メーカーのグループ全社Webコンサルティングや、グローバル企業のWeb改善プロジェクト、中堅・中小企業のWebコンサルティング等に従事し、2011年に当社法人化。代表コンサルタントとして現在も前線で業務に従事しながら、経営・社員のマネジメント・育成・事業開発に勤しんでいます。コロナ禍でお腹周りが10cm増えました。

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