2019.08.06
Webマーケティングで利益が出る仕組み!売上と関わる指標を徹底解説
誰もが、手軽にWebへアクセスできるようになった時代。
消費者の購買活動の鍵となるのは「オンラインでの情報収集」です。
販売者側は、商品やサービス、さらに企業の情報をWebで掲載することで、顧客と接点を持つことができます。
そのため、Webマーケティングは重要視されているのですが......。
- ハウちゃん
- Webマーケティングって、ちゃんと利益がでるのかな? やること多くて大変そうだし、コスパも悪そうだし...。
Webマーケティングに対し、このような印象を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
Webマーケティングは、決してコスパは悪くありません。
手順を踏んで実施することで、企業に利益をもたらします。
とはいえ、Webマーケティングに携わっていないと「どうやって利益が出るのか?」というところは見えづらいかと思います。
そこで、今回はWebマーケティングに関して「利益が出る仕組み」をお伝えするために「売上と関わる指標」について解説いたします。
目次
- ハウちゃん
- BtoCだったら理解できるよ。要はオンラインで商品を買ってもらえれば、それが利益になるもんね。
- ノウくん
- ECサイトのイメージだね。それは、Webでの販売活動がストレートに利益に直結するケースだね。
- ハウちゃん
- BtoBの場合、Webでの現実の利益につながるってのがイメージできないんだよね。
- ノウくん
- なるほど。それを知りたいなら、まずこれを見て欲しい。
「Webで結果を出す」とは?
- ハウちゃん
- これは?
- ノウくん
- Webで結果を出したいのなら、この2つの指標を上げていくといいんだ。
Webにおける基本的な指標として「ユーザ数」と「コンバージョン率」があります。
ユーザ数は「サイトに訪れた人数」を指します。
対して、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)は、コンバージョンレート、つまり「コンバージョンした割合」のことです。
コンバージョン率について考える前に、そもそも「コンバージョン」を知らなければなりません。
コンバージョンとは
「コンバージョン(CV:Conversion)」とは、Webサイトにおける最終的な成果を指します。
- ハウちゃん
- 最終的な成果って?
- ノウくん
- 「目的の達成」と言い換えてもいいかな。例えば、ECサイトは何のためにある?
- ハウちゃん
- 商品を買ってもらうためよ。
- ノウくん
- その場合、コンバージョンは「商品の購入」になる。
- ハウちゃん
- なるほど、Webサイトによって生み出された成果がコンバージョンなのね。
ECサイトの場合は、上述の通り「商品の購入」がコンバージョンとなります。
他にも、
- 資料請求
- 試供品、無料体験の申込み(商品だけではなく、イベント等への申し込みも含まれる)
- お問い合わせ、ご相談
- 会員登録
などがコンバージョンとしてあげられます。
コンバージョンはWebサイトが達成したい目的に応じて設定すると良いでしょう。
例えば、ピアノ教室では「無料体験レッスンへの申し込み」がコンバージョンとなりますし、BtoB分野における高額な商材の場合は「資料の請求や問い合わせの発生」がコンバージョンになります。
- ハウちゃん
- 「コンバージョン率」は「Webサイトが目的を達成した割合」に言い換えられるね。
- ノウくん
- そういうこと。ちなみに、コンバージョン率は、このように求められる。
コンバージョン率は、コンバージョン数をセッション数で割ることで求められます。
- コンバージョン数:成果の数
- セッション数:Webサイトに訪れた人の数
ですので、コンバージョン数をセッション数で割ることで「Webサイトにどのぐらいの人がきて、そのうち、どのぐらい成果につながったか?」という割合(=コンバージョン率)を算出できます。
- ハウちゃん
- 待って。「セッション数」についてもっと詳しく。
- ノウくん
- 唐突に「セッション数は訪問者数ですよ」って言われても謎だよね。
セッション数とは
ちなみにセッション数は、Webサイトへの訪問数です。
セッションとは?
「Webサイトへの訪問〜離脱までの一連の流れ」です。
このように、あるユーザが、Webサイトに訪問して離脱することで、1セッションとしてカウントされます。
上図では「3ページ閲覧して離脱=1セッション」となっていますが、ページビュー数(PV数)は「3ページ閲覧している=3PV」となります。
この時、このWebサイトの訪問者は一人です。
- PV数:3ページ
- セッション数:1セッション
- 訪問者数:1人
PV数を基準にすると、訪問者数とズレが生じます。
そのため、コンバージョン率を求める時は、セッション数を見るようにしているのです。
- ハウちゃん
- コンバージョン数をセッション数で割ると、コンバージョンした割合がわかるのね!
- ノウくん
- 「コンバージョン率=目的の達成率」と言い換えられる。
- ハウちゃん
- Webサイトでどのぐらい成果が出ているかを見たいときは、コンバージョン率をみればいいんだ!
サイトユーザ数とコンバージョン率を掛け合わせることで、実際に出た「成果」を求められます。
サイトユーザ数「100」として、うち「10%」がコンバージョンした場合、
成果の求め方
【計算式】サイトユーザ数×コンバージョン率=成果件数
【例】100×0.1(10%)=10
ですので、そのWebサイトは10件の成果を出していることになりますね。
Webマーケティングを、数値という観点からみると、究極的には「ユーザ数」か「コンバージョン率」どちらかを上げるために施策を打ち出していく、と理解することができます。
「ユーザ数」と「コンバージョン率」を上げると結果が出る理由
「ユーザ数」と「コンバージョン率」と言われると、イメージがつきにくいかもしれませんが、店舗に置き換えると分かりやすいです。
「訪問してくれたお客様の数×購入してくれた割合」とすると、「どのぐらいのお客様が店舗に訪問し、うち、何人が購入に至ったか」を表しています。
つまり利益を上げるためには、
- 店舗に来てくれるお客様の数を増やす
- 購入してくれる割合を上げる
これらを目標に施策を打ち出していくと「店舗に来るお客さんの数が増える」「購入率が上がる」ため結果として、売上が向上します。
- ハウちゃん
- お客さんが増えて、買ってくれる割合が上がったら、お店に入るお金もUPするからね!
Webでも、これと同様です。
- サイトに訪問するユーザを増やす
- コンバージョンへと至る割合を上げる
Webサイトに来てくれる人が増え、コンバージョンする割合が上がったら、企業の利益も伸びていきます。
「サイトユーザ数×コンバージョン率」は「Webサイトに来る人のうち、何割が利益につながっているか」を表す計算式です。
よって「サイトユーザ数(Webサイトに来た人)」に「コンバージョン率(成果につながった割合)」を掛けると、成果が出た件数を求めることができます。
つまり、Webマーケティングで結果を出すためには「ユーザ数」と「コンバージョン率」の改善が欠かせません。
- ノウくん
- これがわかれば、利益を出す仕組みが一発でわかるね。
Webマーケティングの最重要概念
こちらをご覧ください。
こちらが、Webマーケティングにおける最も重視すべき概念となります。
何故なら、これらの指標は、利益と直接関わってくるからです。
先ほどお伝えした通り「サイトユーザ数×コンバージョン率」で成果が出た件数を求められます。
例えば「コンバージョン=商品の購入」の場合、この1%というのは「商品の購入率」を指します。
上述の例の場合、各指標は次のようになっています。
- サイトユーザ数:1000人
- コンバージョン率:1%
- 顧客単価:10万円
何件成果が出たか?
【計算式】サイトユーザ数×コンバージョン率=成果件数
【例】1000人×0.01(1%)=10件
ですので、この場合、Webサイトで「10件」成果が出たということになります。
ここで気になってくるのは「どの程度の売上があったか」というところ。
そこで「顧客単価」が重要になってきます。
- ハウちゃん
- 「顧客単価=商品の値段」のこと?
- ノウくん
- 単品販売だったらイコールになるけど、次のような場合もあるよね。
例えば、
- うどん:300円
- えび天:120円
- 半熟玉子:60円
計:480円
この場合の顧客単価は、顧客が支払った合計金額である「480円」になります。
これが「顧客単価」です。
今回は、Webサイトから10件の成果が出ました。
この10件という成果に対し「顧客単価」を掛け合わせると、売上を求めることができます。
Webサイトに訪問したユーザ数が1000人で、うち1%が10万円の商品を購入した場合、売り上げは100万円です。
- ハウちゃん
- 売上の100万円がWebサイトから生じる「利益」ってことね?
「経費」を含めて考える
実際のビジネスでは、顧客単価だけでなく、顧客を獲得するための経費も加味しなければなりません。
顧客獲得にかかる経費を「顧客獲得単価」として数式に組み込みます。
今回の例では、1件顧客を獲得するごとに、顧客獲得単価が2万円かかったため、1件あたりの顧客単価から顧客獲得単価を差し引いています。
顧客単価(10万円)−顧客獲得単価(2万円)=8万円
よって、今回の場合、1件あたりの売上は「8万円」です。
上述の式では、Webから10件の成果(1000人×1%)が出て、そこに1件あたりの売上、8万円をかけて、全体の売上を求めています。
顧客獲得単価を加味した場合の売上の求め方
【計算式】成果件数(サイトユーザ数×コンバージョン率)×1件あたりの売上(顧客単価−顧客獲得単価)=売上
【例】10件の成果(1000人×1%)×8万円の売上(10万円−2万円)=80万円
つまり、顧客獲得単価を含めて考えた場合、売上は80万円となります。
- ハウちゃん
- すごく頑張ってWebマーケティングの施策を行っても、たった80万円の利益しか無いの? コスパ悪いぞ!?
- ノウくん
- いや、マーケティングの価値は、この先にあるんだよ。本当に儲かっている会社は、これをうまく使っている。
「顧客生涯価値」によって利益がもたらされる
商品・サービスを購入したり、商談が成立し顧客となると、その後、リピートや他の商品の購入が続きます。
これは、一度の取引で完結するのではなく、その顧客がリピーターとなるからです。
この考え方を「顧客生涯価値」といいます。
顧客生涯価値とは?
顧客生涯価値(こきゃくしょうがいかち、Lifetime Value、LTV)とは経営学用語の一つ。企業にとってある一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらした価値の合計を言う。
「顧客生涯価値」を加味して考えた場合、この例では、たった20万円(顧客獲得単価の合計)で、約1億円の利益を稼ぎ出したと言えます。
マーケティングの価値・レバレッジが効く部分は、まさしく、ここなのです。
- ハウちゃん
- 約1億の利益!? 大げさすぎない?
- ノウくん
- でも実際さ、僕はMacのパソコン(iMac)を使ってるけど、キーボード、マウス、外部CDドライブもApple製品だし、携帯だってiPhoneだし...。iPadも持ってる。
- ハウちゃん
- この前、Apple Musicにも入ったって言ってたよね?
- ノウくん
- 月額980円(2019年7月現在)だね。しかもイヤホンはbeats製品(Apple傘下のイヤホンメーカー)。
- ハウちゃん
- イヤホンまで...。顧客生涯価値ってのは、決して夢物語じゃないんだね。
高額BtoBビジネスの場合
- ハウちゃん
- 僕らの会社は、BtoBの産業用装置販売で実績があるんだけど...。
- ノウくん
- 唐突な売り込みどうした?
- ノウくん
- いや、だからその分野には詳しいんだよ。高額BtoBビジネスなどの場合、ここにもう一段階挟むんだ。
特にBtoBの分野では、Web上では問い合わせまでしかできず、必ず営業マンによる商談が必要なビジネスも多く存在します。
営業のプロセスも加味して「商談成功率」も式に組み込むと、よりリアルな売上を求めることができます。
特にBtoBの分野では、Web上では問い合わせまでしかできず、必ず営業マンによる商談が必要なビジネスも多く存在します。
商談の成功率もWebでの情報発信が鍵となります。
「これから取引する可能性がある会社」の場合、相手企業は必ず、取引相手のWebサイトを見て情報を集めるからです。
例えば、あなたが、取引を考えている2つの会社に関する情報を、企業のWebサイトで集めたとします。
A社、B社のサイトは次のような状態。
- 【A社】綿密に更新し、丁寧かつ正確な情報発信をWebで行なっている企業。
- 【B社】Webサイトにあまり情報が掲載されていない企業。しかも、更新は4年前が最後。
どちらが信頼できるかは、一目瞭然ですね。
実際、Corporate Executive Board社が行なった「1,400社以上のBtoB企業の購買担当者を対象とした調査」によると、購買におけるプロセスの57%は、営業担当者との接触前に済ませているそうです。
こちらの記事で紹介した通り、これまでは営業担当者が多くの情報を握っていましたが、インターネットの普及が進み、顧客はWebサイトで情報を集めるようになりました。
Webマーケティングの活用することで、営業担当者との接触前に顧客に対してアプローチできます。
Webによる情報発信は、今後ますます重要性を増していくでしょう。
Webマーケティングと営業の連携
Webマーケティングと営業活動は次のように連携しています。
- ハウちゃん
- マーケティングは「欲しい」という人を増やして、売り込み無しで注文を獲得したり、営業マンに引き渡したりするお仕事なのね。
- ノウくん
- そう。だから販売を担う「営業部門」との連携がとても重要なんだ。
Webマーケティングによって営業活動も促進される
- 営業マンへ見込み客を引き渡す
- 営業マンがアタックするリストの獲得
- 商談の創出
- 来店促進
- 関係性づくり
Webで予め他社より優位に立てるよう仕込んでおけば、成功率がぐっと上がります。
戦略的に構築されたWebサイトというものは、ビジネス自体を「勝てるものに変革する」価値があるのです。
またWebマーケティングによって「見込み客」を獲得できます。
「Webでの問い合わせ発生→問い合わせた見込み客への営業活動を行う」という流れです。
つまり、Webで成果を出すことで、商品の購入や、商談の創出につながります。
- ハウちゃん
- Webマーケティングによって、きちんと利益が出るんだね。
- ノウくん
- そう。「物・サービスが勝手に売れる状態を作る」っていうのが、Webマーケティングの目的だからね。
- ハウちゃん
- 顧客から信頼されたり、自社のビジネスを優位にしたり、かけたコスト以上の価値を生み出せるってことね。
次回予告
- ノウくん
- Webマーケティングは、ちゃんとやれば利益につながるんだけど......でも、何をすればいいかわからないよね、ぶっちゃけ。
- ハウちゃん
- ほほう。お主「Webマーケティングの施策」がわからない、と申すか。
- ノウくん
- Webマーケティングの施策って「Webマーケティングを実行しよう、でも何をすればいいの?」の「何」の部分だよね。
- ハウちゃん
- その通り。実際に結果を出すためにするべきことっていうのがある。それが「施策」。次回は、Webマーケティングの施策について解説するよ!
この記事のメイン制作者
大学を最上位の成績で卒業した後、当社新卒入社。某業界世界第1位のハイブランドにおけるペルソナ開発・UXデザインから、理系分野のコンテンツライティングまでこなす若手エース。専門商社のクライアントを担当し作ったコンテンツは続々と検索1位を獲得、多くの問合せを有み続けています。コンテンツを生み続ける人になりたい。