2019.08.06
Webマーケティング施策の実施方法!全ての鍵は「ユーザ」に有り
Webマーケティングにおいて、様々な施策があることは、インターネット上だけでなく、書籍でも解説されています。
とはいえ「知識としては知っているものの、結局、何をどうやって実行していいかわからない」という具合に、実行プランを思い描けない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- ハウちゃん
- 施策について知っていても「何を・どのように、実行していいかわからない」 っていうのは、根本的な「考え方」を知らないからだよ。
- ノウくん
- 確かに、本気で売りたいなら「考え方」を知らないとダメだね。
実際、マーケティングにおいて、知識は大事ですが、知識だけでは身につかない部分があることも事実です。
そのため、当記事では、
- Webマーケティングの施策を感覚的に理解する「考え方」
- 施策の実施方法
をご紹介していきたいと思います。
目次
まずは「感覚」を養おう!
Webマーケティングは「アイドル」と似ている!?
- ノウくん
- 意味がわからない...。こっちは真面目な話をしてるんだよ。
- ハウちゃん
- 大真面目な話だよ! Webマーケティングの「施策」を知る上で、欠かせない「考え方」だから、落ち着いて受け止めて!
「アイドルのCDを購入するまでの一連の流れ」と、Webマーケティングの施策は根本的なところで類似しています。
多くの人がこうした流れを辿って、アイドルのファンになり、SNSアカウントをフォローしたり、CDを買ったりしていますが、Webマーケティングの施策もこれと同様の考え方です。
結局「出会い」がなければ、何も始まりません。
出会いがなければ、ファンになることもないですし、CDを買うこともないでしょう。
アイドルの場合、友人からの紹介や、店で偶然曲を耳にした、SNSやテレビで見かけた等、アイドルと出会う=アイドルを認知する必要があります。
Webマーケティングもこれと同様です。
まずは、製品やサービスを知ってもらわないといけません。
Webで製品やサービスを紹介する場合は、Webサイトにアクセスしてもらわない限り、製品・サービスと顧客が出会うことはないでしょう。
そこで「Webサイトに多くの人を集めるためのマーケティング施策」を行います。こうした施策を、Webマーケティングでは「集客」と呼んでいます。
- ハウちゃん
- まずは、存在を知ってもらうことが大事。「認知」してもらうために「集客」の施策を行うの。
- ノウくん
- ようやく話が読めてきた。Webサイトに人を集めたら、次は、捕まえたユーザを「引き込む」んだね。
- ハウちゃん
- そう! アイドルでいうところの「ファンを育成する」っていうのが、それに該当するの。
「利益」につなげるために、施策は存在する
アイドルと出会った瞬間、消費者は「ファン予備軍」になります。
ファン予備軍とは「ファンになるための心構えができた状態」と理解してください。
そうしたファン予備軍たちに、継続的に情報を発信していき、予備軍から「ファン」になってもらいます。
もちろん、「予備軍は放っておけば自動的にファンになってくれる」というわけではありません。
予備軍からファンに格上げするために「マーケティングの施策」が存在します。
- ハウちゃん
- アイドルが、わざわざSNSを更新するのだって、ファン育成のためなんだよ。
- ノウくん
- ファン育成以外にも有効だよね。認知度アップにもつながるし、宣伝にだって使える。
適切な施策によって、予備軍をファンへと格上げし、最終的にCDやデジタル配信されている楽曲、コンサートチケットの販売、といった「利益」につなげていきます。
- ノウくん
- CDとかチケットとか、実際にお金を落としてもらう前段階で、いろいろな施策を実行する必要があるんだね。
施策の全体像を把握しよう!
先ほどのファンの行動を、Webマーケティングに置き換えると、このような概念図で表現できます。
こちらは「マーケティングファネル」といいます。
マーケティングファネルとは、平たくいうと、顧客が商品・サービスを購入するまでの流れを、顧客の「状態」から、段階ごとに整理した概念図です。
先ほどは「ファン予備軍」と表現しましたが、これはマーケティング用語でいうと「見込み客」といいます。
見込み客は、顧客となる見込みのあるユーザです。
マーケティングファネルは「見込み客から顧客へするためのマーケティングの段階設計」としても有用です。
つまりマーケティングファネルを見ることで「見込み客から顧客になる際、ユーザはどのような流れをたどっているか」を理解することができます。
まずは「集客」です。Webサイトに人を集めます。
この段階を経て、顧客は商品やサービスを認知します。上述の通り「出会い」がなければ何も始まらないため、まずは商品・サービスと出会うところから始まります。
- ノウくん
- アイドルの例と一緒だね。まずは「出会い」があって「ファン」になっていく...。
Webにおいて、製品・サービスと見込み客が出会うためには、Webサイトに来てもらう必要があります。
そのため、第一段階は「集客」となります。
「製品・サービスと出会った見込み客に、製品・サービスに対して好感を持ってもらうようにする」これが第二段階の「育成」です。
そして、最後に「CDを買ってもらう」──すなわち、企業の利益につながる行動をとってもらう、というのが第三段階「反響」になります。
集客→育成→反響
こうした段階を経て、見込み客は顧客になっています。
言い換えるならば、「見込み客」を「顧客」にするためには、この「段階設計」に沿った施策を打ち出せばいい、ということになります。
- ノウくん
- つまり「集客のための施策」「育成のための施策」「反響のための施策」の3つがあるんだね。
- ハウちゃん
- でもこれだけじゃ足りない。せっかくファンになってもらったんだから、CDを買うだけじゃなく、コンサートにも足を運んで欲しい!
- ノウくん
- 単発の利益だけじゃなく、リピートへつなげないと意味がないね。
- ハウちゃん
- シングルだけじゃなく、アルバムも買って欲しいし、コンサートグッツも買って欲しいし、イベントにも来て欲しい。
- ノウくん
- 「継続のための施策」も必要ってことだね。
多くの「見込み客」は、マーケティングファネルで示した段階を経て、「顧客」になります。
集客→育成→反響→継続
これに合わせて、施策を打ち出します。
各段階に適した施策を分類すると、次のようになります。
集客 | 育成 | 反響 | 継続 |
---|---|---|---|
コンテンツマーケティング | |||
ソーシャルメディアマーケティング | |||
マイクロコンバージョン改善 | メールマーケティング | ||
Web広告 (純広告) |
サイト改善 | ー | |
Web広告 (リスティング広告) |
ユーザビリティ改善 | ー | |
SEO | ー | ー | ー |
施策の内容について、詳細を知りたい方は、こちらをご覧ください。
施策は無意味に打ち出せばいい、というわけではありません。
例えば「Web広告」は「集客」に該当します。
つまり、何故、広告を打ち出すのかというと「広告によって、Webサイトに来てくれる人を増やす」ためです。
- ハウちゃん
- 大切なこと「ターゲットの段階に合わせて適した施策がある」。
- ノウくん
- 「ターゲットの段階」と言うと難しいかもしれないけれど、アイドルの話を思い出せばなんとなくわかるかも。
- ハウちゃん
- そうそう。アイドルと出会って、ファンになって、お金を払って、リピーターになるって流れだね。
- ノウくん
- 「ファン予備軍をファンにしてリピーターにする、そのために何をするか?」っていうのがWebマーケティングの施策に該当するんだね。
施策はターゲットの段階に合わせて打ち出していく。
- ノウくん
- もしや「集客」「育成」「反響」「継続」って、施策を実行する際の「目的」でもあるんじゃない?
- ハウちゃん
- お、いいところに気づいたね。それは実行する施策を決める際に、重要なポイントだから、次で解説するね。
施策は販売者側の「目的」で決定される
- ハウちゃん
- さっき「ターゲットがどの段階にいるか」で施策を分類したじゃない?
- ノウくん
- 「集客」「育成」「反響」「継続」だったね。
- ハウちゃん
- でも、これって「主語」は誰だろう?
- ノウくん
- 主語? 「ターゲットがどの段階にいるか」って話だから「ターゲット」じゃないの?
実は「ターゲット」ではありません。
集客を行いたいのも、顧客育成したいのも、反響が欲しいのも、リピーターになって欲しいのも全て「販売者側」です。
つまり、「集客」「育成」「反響」「継続」は、販売者側の「目的」と一致します。
- 目的:Webサイトに人を集めたい(=集客)
- 施策:SEO
つまり、施策は「販売者側が何をしたいか?」という目的に合わせて決定されます。
- ハウちゃん
- 実はここが大きな「落とし穴」!
- ノウくん
- 施策を実行するのは確かに「販売者側」、施策によって最終的に利益を得るのも「販売者側」。
- ハウちゃん
- でも、マーケティングの主体は「ユーザ」つまり「消費者側」なんだよ!
Webマーケティングの落とし穴「ユーザ目線がない」
よくある例として、施策の「目的」ばかりが先行してしまい、実行段階でユーザ目線が欠けてしまう、ということです。
悲しい例「ユーザのことを考えていない」
マーケターが、施策を実行しようとした際、ユーザの目線が抜け落ちていますよね。
「商品について知ってほしい!」という気持ちが先行して、販売者側が入れたい情報だけ詰め込んだ広告文になっています。
これは、身近な例でいうと次のような状態です。
- ハウちゃん
- ねねね、このミステリー小説、面白いから読んで! 探偵役の彼がインテリ系イケメンで最高! 今なら安く買えるし!
- ノウくん
- え、安いとか関係なく普通に興味ない。
ハウちゃんはミステリー小説を「面白い」「探偵役がかっこいい」という情報を伝えて本のPRをしましたが、これは「ハウちゃんが伝えたい情報」であって、ノウくんは、それを教えられても「読んでみたい!」とは思いません。
また「安い」ということを伝え、購入が「負担にならない」と後押ししましたが、そもそもノウくんは商品に価値を感じられないため「損をしない」と言われたところで、買う気にはなれません。
「商品がどれだけ魅力的か」以上に「相手に魅力的な商品だと思ってもらうこと」が大事です。
では、どうすればいいのでしょうか?
ハウちゃんにもう一度、同じ本を宣伝してもらいましょう。
- ハウちゃん
- このミステリー小説なんだけど「密室トリック」が緻密で最高なんだ。
- ノウくん
- みみみ、密室だって!?
- ハウちゃん
- 密室だけ集めた短編集なの。会話多めで、テンポよく読めるんだ。ノウくん長い小説、読むの疲れるって言ってたもんね。
- ノウくん
- 買うわ。
お気づきでしょうか?
ハウちゃんは、自分が読んだ本の中で「ノウくんが興味を持つ情報」を発信しました。
ハウちゃんとノウくんは長い付き合いです。
ノウくんが「密室トリックが登場する小説を好んで読むこと」と「長い推理小説を読んで挫折しかけた経験があること」を知っていました。
この情報から「密室トリックを集めた短編集」と言えば、ノウくんが興味を持ってくれる、と知っていました。
つまり、ハウちゃんはノウくんのニーズ(密室トリックが好き・短編がいい)に合わせて、発信する情報を変えたということになります。
- ハウちゃん
- 実はWebマーケティングの施策を実行するときも、これと一緒なの!
ユーザのニーズを考えて「ニーズと一致する商品のPRポイント」を記載することで、ターゲットは関心を示します。
何故なら、ユーザは「販売者側」が伝えたい情報(商品・サービス)に興味があるのではなく、自らの欲求・ニーズにしか興味を示さないからです。
つまり「本気で売りたい」と思うなら、Webマーケティングの施策もまた「ユーザの視点」で組み立てていく必要があります。
Webマーケティング施策の実施方法
さて、ユーザの目線を踏まえた情報発信が大切ということがわかったかと思います。
ここからは、具体的に「どのように施策を実行すべきか」をお伝えしていきます。
「Webマーケティングの施策を実行する」ということは少なからず、「Webサイトに課題がある状態」かと思います。
施策によって課題を解決しよう、と思った時、次のような手順で施策を実行に移すはずです。
課題がある→課題に対してどうしたいか(目的)→施策の決定→実行
上述の通り、施策は「目的」によって決定されます。
目的とは「Webサイトの課題に対して、どうしたいか」を指します。
具体的には、「アクセス数を増やしたい」「滞在時間を伸ばしたい」「コンバージョン率をあげたい」などです。
そのため「課題→目的→施策の決定→実行」というプロセスで進めると良いでしょう。
しかし、この一連の流れは「販売者側の都合」です。
これを優先させてしまうと「ユーザ目線」が抜け落ち、「自分が伝えたいことだけ宣伝」のように「ユーザに興味を持ってもらえない=目的を果たせない=課題が解決しない=結果が出ない」という悲劇が起こります。
よって、Webマーケティングを成功させたい場合、ユーザの視点を取り入れなければなりません。
- ノウくん
- ユーザの視点って何? どうやって考えればいいの?
悩む必要はありません。
ユーザの視点は「アイドルのCDを買うファンの視点」です。
アイドルから発信される情報を受け取り、CDの購入に至るファンの視点──すなわち、情報を受け取って行動を起こす側の目線に立って考えればいいということ。
「ユーザの視点」は言い換えると「情報の受け取り手の目線」になります。
アイドルとファンの間には情報の受け渡しが存在しています。
例えば、SNSで可愛い写真を載せる(情報の発信)、これを目にした人がアカウントをフォロー(情報を受け取る)する。
Webマーケティングの場合もこれと同様です。
販売者側と、消費者側は、Webを通じて情報をやりとりしています。
- ノウくん
- Webの世界が、販売者側と消費者側の関わりの場になってるんだね。
- ハウちゃん
- ユーザは、Webから情報を得て、行動を起こして、次の段階(集客→育成)へ進むの。
- ノウくん
- 販売者側は様々な施策を通じて、消費者側に情報を渡すわけか!
- ハウちゃん
- で、消費者側は、受け取った情報に反応して、行動する。
先ほどの例。アイドルの自撮り写真を見て「可愛い!」と思った消費者が、SNSで「アカウントをフォローする」といった場合、情報を受け取った消費者が、行動を起こしたと言えるでしょう。
裏を返せば「販売者側にとって望ましい行動を起こさせるために、どういう情報を渡せばいいか?」と考えることが必要です。
それがユーザ主体の「Webマーケティング」です。
「ユーザにどうして欲しいか?」を考える、これが肝心です。
「ユーザに商品を買って欲しい!」(販売者側が消費者側にして欲しいこと)とするならば、まずは「商品を買ってくれそうなターゲット」を商品ページへと集める必要があります。
そのため、目的は「多くのユーザに製品ページを見て欲しい(=集客)」となるでしょう。
そこで、Webマーケティングの施策が活きてきます。
仮にBtoCの場合、Webマーケティングの施策として「集客」に該当する「広告」がマッチしそうです。
その上で、
- 商品を買ってくれそうなターゲットは誰だろう?
- その人に対し、どういう情報を与えれば、広告をクリックしてくれるだろう?
- じゃあ、キャッチコピーはこうするといいな。
このような順番で考えると良いでしょう。
すると、先ほどの「悲しい例」が、このように生まれ変わります。
ユーザのニーズを考慮し、広告の内容を考えることで、ターゲットが関心を示し「クリックする」という行動を起こす広告に生まれ変わります。
- ハウちゃん
- この広告では「ユーザ目線」を取り入れているね。ターゲットの年齢層を考え「アンチエイジングに役立つ製品だよ」とプッシュしている。
ターゲットの視点に立つと、広告に入れるべき情報がガラリと変わります。
今回の例だと「こんな成分が入っている」「商品が今安くてお得」から、「アンチエイジングに役立つ製品」「ポリフェノールの効果がある製品」という情報に変わりました。
ユーザの視点を取り入れ、この製品が「ユーザにどのような価値をもたらすか?」を広告で伝えているのです。(今回の場合は「美しさ」「若さ」という価値ですね。「貴方の美しさに貢献する商品だ」ということを広告文の中で示唆しています。)
自分にとって価値のある情報だと思えば、ユーザは広告を無視できなくなります。
広告が目に留まると、製品に興味を持ち、クリックしてくれるため、施策の目的である「Webページに人を集める(集客)」を達成したことになります。
広告に限らず、全ての施策を実行する上で「ユーザ目線」は必要です。
施策を実行する目的を達成するためには、
ユーザを軸にに据え、利益につながるマーケティング施策を行なっていきましょう。
施策実行のポイント
- 施策を実行する際は「ユーザにどういう行動を起こして欲しいか?」を軸に考える。
- ユーザに行動を起こしてもらうためには「どういう情報を、どのような形で渡せばいいか?」を考える。
- ハウちゃん
- だって、結局、お金を払ってくれるのはお客様でしょ?
- ノウくん
- その通りだね。
- ハウちゃん
- だったら「ユーザにどうして欲しいか」考えないと。
- ノウくん
- ユーザにお金を払ってもらうために、自分たちが何をすべきか。それが施策ってことか。
総括
本気で売りたいなら「自分たちがどうしたいか?」ではなく「ユーザにどうして欲しいか?」を考える。
「ユーザにどうして欲しいか?」が決まったら、それに適した施策を選び、ユーザのニーズに応えられる情報を選別して、発信していく。
インターネットが発展し、消費者が自ら情報を探せるようになりました。
消費者が情報を探し求める際に気にしているのは「自分自身の欲求・ニーズ」です。
そのためWebマーケティングでは、ターゲットが興味関心を持つように、工夫することが大切です。
「ターゲットが受け取ったとき行動を起こしてくれるか?」を考えて、出す情報を工夫していくことで、結果の出るマーケティングが可能になります。
ユーザを第一に考えることが、Webマーケティングを成功へと導く鍵となるのです。
この記事のメイン制作者
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